フレディ・ジラルデ

フレディ・ジラルデ
1990年代
生誕 (1936-11-17) 1936年11月17日(87歳)
スイスの旗 スイス
ヴォー州ローザンヌ
料理人歴
様式フランス料理

フレディ・ジラルデ (Frédy Girardet、1936年11月17日 - ) は、スイスシェフ

20世紀における最高のフランス料理人の一人として知られる。ローザンヌ近郊のクリシエ(英語版)にある自らの名を冠したレストラン「ジラルデ」は、ミシュランガイドでスイス初の3つ星を獲得している。ゴー・ミヨで19.5点を獲得し、ポール・ボキューズジョエル・ロブションと並び「世紀のシェフ」と称された。芸術文化勲章レジオンドヌール勲章オフィシエ叙勲。現在は引退している。

来歴

スイスローザンヌにて、父バンジャマンと母ジョルジェットの間に生まれる[1][2]。父親は自身のレストランをクリシエに開業する前まで、ローザンヌのベルビューホテルでシェフをしていた経歴を持つ[1][2]。幼少の頃からスポーツに長けており、地元のアマチュアのサッカークラブに所属していた程であった。ローザンヌのレストラン「ル・グラン・シェーヌ」に弟子入りしていたものの[1]、将来の夢はプロのサッカー選手になることだったという[2]

父のレストランの仕事でワインの買い付けのため、ブルゴーニュ地方に出張に行った際、ワイン業者からフランスロアンヌにある有名3つ星店「ラ・メゾン・トロワグロ(英語版)」に連れて行ってもらったことがあった。ジラルデにとって初めての有名店での食事であったが、その時シェフになろうと確信したという[2]。その後、父は予期せず56歳で逝去し、父のビストロを継いだ。当初は古典的なフランス料理が中心であったが、ジラルデはより軽く繊細で革新的な調理技法を身につけていき、同年代のシェフとともに当時沸き起こったヌーベルキュイジーヌの料理技法を展開していった[1]

料理

自身の持つ新しい料理のスタイルで主に良く知られている。ソースに小麦粉の使用を避け、代わりに煮詰めたブイヨンでとろみをつける、等がその一例である。現代の標準から見れば、ジラルデは伝統派に属する。特に人工的な食材を使用する点で、分子ガストロノミーには批判的である[3][4]

1984年に著書『フレディ・ジラルデの料理』(The Cuisine of Fredy Girardet)を発行。フランス語のほか英訳版も発売された[5]

レストラン

自身がオーナーとなるレストランを、1971年にクリシエに開業した。当時有名だった他のシェフとは異なり、ジラルデはキッチンでの料理監修に多くの時間を費やし、ほとんど出張もせずコンサルティングやビジネスの推奨行為も避けた[1]。レストラン「ジラルデ」は徐々に世界一のレストランとも称されるようになり[2]、その手腕から世界で最も偉大なシェフと呼ばれるようになった[6]

1994年、初のミシュラン・スイス版が発売され、スイスで唯一のミシュラン3つ星を獲得した[要出典]

1996年、ジラルデが60歳の時にレストランを1980年から自身の下で勤務していたフィリップ・ロシャ(フランス語版)フランツィスカ・ロシャ=モーザー(英語版)夫妻へ売却する。引退後、ジラルデはスイス・ロマンド郊外の村フェシー(英語版)で生活を始めたが、引退生活に退屈さがつのり、ロシャとは幾度か衝突した。フードライターのコールマン・アンドリュース(英語版)によれば、ジラルデは他のシェフの動静をよく観察しており、特に父は店を売却したい時に売却できず、結局運営のストレスで早死にしたことから、自身の絶頂期に引退を決めたのだとされている。

現在はロシャも引退し(2015年に死去)、2012年4月からは孫弟子のブノワ・ヴィオリエ(フランス語版)が店を引き継いだ。ヴィオリエは店名を「ロテル・ドゥ・ヴィル」(l'Hôtel de Ville)と改名、2016年版でも3つ星を維持していたが、2016年1月31日に自宅で遺体が発見された。自殺と見られている[7]

創作料理の例

出典

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d e Colman Andrews (1998年). “Girardet after Girardet”. Saveur. http://www.saveur.com/article.jsp?ID=4039 
  2. ^ a b c d e Craig Claiborne (1982年2月3日). “A Rare Visit by Girardet, the Swiss 3-star Chef”. New York Times. http://www.nytimes.com/1982/02/03/garden/a-rare-visit-by-girardet-the-swiss-3-star-chef.html?&pagewanted=all 
  3. ^ Jean-Claude Ribaut (05.09.2007 à 13h07). “Il faut arrêter avec les goûts brouillés et sucrés des plats d'avant-garde”. Le Monde. http://www.lemonde.fr/vous/article/2007/09/05/fredy-girardet-il-faut-arreter-avec-les-gouts-brouilles-et-sucres-des-plats-d-avant-garde_951504_3238.html 
  4. ^ “Top chef pours cold water on 'chemical' cuisine”. AFP. (September 6, 2007). https://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5hHm3eAWaZblqviOUskThKHqdFu8A 
  5. ^ “World-famous chef shares his favorite recipes”. Montreal Gazette. (1984年12月19日). https://news.google.com/newspapers?id=8g0vAAAAIBAJ&sjid=rqUFAAAAIBAJ&pg=1499,3984415&dq=the-cuisine-of+girardet&hl=en 
  6. ^ Michael Bauer (2011年3月11日). “My most memorable meal”. San Francisco Chronicle. http://www.sfgate.com/cgi-bin/blogs/mbauer/detail?entry_id=58857 
  7. ^ “三つ星シェフのB・ヴィオリエ氏が自殺か、遺体で発見 スイス”. AFPBB News. (2016年2月1日). https://www.afpbb.com/articles/-/3075288 2016年2月1日閲覧。 
ウィキメディア・コモンズには、フレディ・ジラルデに関連するカテゴリがあります。
典拠管理データベース ウィキデータを編集
全般
  • ISNI
  • VIAF
  • WorldCat
国立図書館
  • フランス
  • BnF data
  • カタルーニャ
  • ドイツ
  • アメリカ
  • 日本
  • オランダ
人物
  • ドイッチェ・ビオグラフィー
その他
  • IdRef