マツダ・Z型エンジン

ZJ-VEM

マツダ・Z型エンジン(マツダ・Zがたエンジン)は、マツダによって製造されていた直列4気筒ガソリンエンジンである。

概要

B型エンジンの後継として、1994年にZ5-DEがファミリアネオに搭載されてデビューした。当初はB型エンジンをベースにした設計も見られたが、2000年代に入って登場したZJ-VEとZY-VE以降はほとんど共通点がなくなっている[1]。ZJ-VE(M)、ZY-VE、Z6-VEは、L型エンジンと共にMZRエンジンを構成するエンジン系列のひとつでもある。

SOHCも存在したB型エンジンに対し、全てDOHC16バルブとなっている。Z5-DE、ZM-DE、ZL-DE、ZL-VEは鋳鉄製のシリンダーブロックを持ち、タイミングベルトカムシャフトを駆動する。ZJ-VE、ZJ-VEM、ZY-VE、Z6-VEはアルミニウムダイカスト製のシリンダーブロックで、タイミングチェーンを使用する。シリンダーヘッドは全タイプアルミニウムダイカスト製である。

現在は、後継となるマツダ・SKYACTIV-Gエンジンに切り替わっており、生産を終了している。

型式

Z5-DE

  • 種類:DOHC 16バルブ EGI
  • 排気量:1,489cc
  • 内径×行程:75.3×83.6 (mm)
  • 圧縮比:9.4
  • 参考出力:97ps(71kW)/5,500rpm(BHALS型 ファミリアネオ
  • 参考トルク:13.5kg・m(132.4N・m)/4,000rpm(BHALS型 ファミリアネオ)
  • 主な搭載車種(車両型式)
    • ファミリアネオ(BHALS)

Z型エンジン最初のモデルである[1]。B型エンジンの構造をベースに設計された。

ZL-DE

  • 種類:DOHC 16バルブ EGI
  • 排気量:1,498cc
  • 内径×行程:78.0×78.4 (mm)
  • 圧縮比:9.0
  • 参考出力:110ps(81kW)/6,000rpm(BJ5W型 ファミリア
  • 参考トルク:14.0kg・m(137.3N・m)/4,000rpm
  • 主な搭載車種(車両型式)
    • ファミリア(BJ5W/BJ5P)

ZL-VE

  • 種類:DOHC 16バルブ EGI S-VT
  • 排気量:1,498cc
  • 内径×行程:78.0×78.4 (mm)
  • 圧縮比:9.4
  • 参考出力:130ps(96kW)/7,000rpm(BJ5W型 ファミリア)
  • 参考トルク:14.4kg・m(141N・m)/4,000rpm
  • 主な搭載車種(車両型式)
    • ファミリア(BJ5W/BJ5P)

ZL-DEをベースに、可変バルブタイミング機構(S-VT)を搭載し高出力化したモデル。

ZM-DE

  • 種類:DOHC 16バルブ EGI
  • 排気量:1,598 cc
  • 内径×行程:78.0×83.6 (mm)
  • 参考出力:106ps(78kW)

輸出仕様の9代目ファミリアに搭載されたモデル。

ZJ-VE

  • 種類:DOHC 16バルブ EGI S-VT
  • 排気量:1,348cc
  • 内径×行程:74.0×78.4 (mm)
  • 圧縮比:10.0
  • 参考出力:91ps(67kW)/6,000rpm(DE3FS型 デミオ
  • 参考トルク:12.6kg・m(124N・m)/3,500rpm
  • 主な搭載車種(車両型式)
    • デミオ(DY3W/DY3R/DE3FS/DE3AS)

「MZR 1.3」として開発された。等長ロングインテークマニホールドや吸気側の可変バルブタイミング機構(S-VT)などが採用されている。コンパクトカーへの搭載を考慮し、インテークマニホールド・エアクリーナーECUなどを一体化したモジュール設計となっている[2]

ZJ-VEM

  • 種類:DOHC 16バルブ EGI ミラーサイクル S-VT
  • 排気量:1,348cc
  • 内径×行程:74.0×78.4 (mm)
  • 圧縮比:11.0
  • 参考出力:90ps(66kW)/6,000rpm(DEJFS型 デミオ)
  • 参考トルク:12.2kg・m(120N・m)/4,000rpm
  • 主な搭載車種(車両型式)
    • デミオ(DEJFS)

ZJ-VEのミラーサイクル仕様。圧縮比が10.0から11.0まで高められている。ユーノス800で培ったミラーサイクルの技術を生かしつつ、ミラーサイクル化によるトルクの低下は、ユーノス800のように過給機を装着するのではなく、S-VTとCVTの採用で補っている[1][3]燃費10・15モードで23.0km/Lを達成した[3]

ZY-VE

ZY-VE
  • 種類:DOHC 16バルブ EGI S-VT
  • 排気量:1,498cc
  • 内径×行程:78.0mm×78.4 (mm)
  • 圧縮比:10.0
  • 参考出力:113ps(83kW)/6,000rpm(DE5FS型 デミオ)
  • 参考トルク:14.3kg・m(140N・m)/4,000rpm
  • 主な搭載車種(車両型式)

「MZR 1.5」として開発された。ZJ-VEと同様に、等長ロングインテークマニホールドや吸気側の可変バルブタイミング機構(S-VT)などが採用され、インテークマニホールド・エアクリーナー・ECUなどを一体化したモジュール設計となっている[2]

Z6-VE

  • 種類:DOHC 16バルブ EGI S-VT
  • 排気量:1,598cc
  • 参考出力:105ps(77kW)/6,000rpm(BM6FJ アクセラ教習車
  • 参考トルク:14.6kg・m(143N・m)/4,000rpm(BM6FJ アクセラ教習車)
  • 主な搭載車種(車両型式)
    • アクセラ(教習車仕様、BL6FJ/BM6FJ)

ZJ-VE(M)、ZY-VEと共にMZRエンジンを構成する。日本国内ではアクセラの教習車仕様にのみ搭載された。

脚注

  1. ^ a b c 内燃機関超基礎講座 | マツダSKYACTIV-Gのプロトタイプか[ZJ-VEM]ミラーサイクル復活機 Motor-Fan、2021年4月13日
  2. ^ a b マツダ(株)、次世代エンジン「MZR1.3/1.5」を新開発 マツダニュースリリース(第1699号)、2002年7月17日
  3. ^ a b 【マツダ デミオ 新型発表】ミラーサイクルの長所と短所と改善 Response、2007年7月6日

関連項目

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