深見けん二
深見 けん二(ふかみ けんじ、1922年3月5日 - 2021年9月15日[1])は、福島県出身の俳人。本名は謙二。
来歴
高玉鉱山(現・郡山市)に生まれる。父の転勤で東京に移り、府立第五中学校を経て東京帝国大学工学部冶金科を卒業。卒業後は東大冶金科研究室勤務を経て日本鉱業入社。日興エンジニアリング勤務。
高校時代の1941年より高浜虚子に師事、20歳の頃に深川正一郎の指導を受ける。大学卒業後「ホトトギス新人会」を結成。1952年より山口青邨にも師事し、1953年に青邨の「夏草」同人。1959年に「ホトトギス」同人。1989年、「珊」創刊同人。1991年、「Fの会」を土台として「花鳥来」を創刊、主宰。
1992年、句集『花鳥来』で第31回俳人協会賞を受賞[2][3][4]。
2006年、句集『日月』で第21回詩歌文学館賞俳句部門を受賞[2][4]。
2014年、句集『菫濃く』で第48回蛇笏賞[2][3]および第13回山本健吉賞を受賞[4]。
代表的な句に「薄氷の吹かれて端の重なれる」など。19歳より虚子に直接学んだ花鳥諷詠、客観写生の実践と普及に努めた。俳人協会名誉会員、日本文藝家協会会員、楊名時太極拳師範。
2021年9月15日、誤嚥性肺炎のため死去[2][3]。99歳没。
著書
句集
- 『父子唱和』 近藤書店、1956年
- 『雪の花』 玉藻社、1977年
- 『星辰』 東京美術、1982年
- 『花鳥来』 角川書店、1991年
- 『余光』
- 『日月』 ふらんす堂、2005年
- 『蝶に会ふ』 ふらんす堂、2009年
- 『菫濃く』 ふらんす堂、2013年
- 『水影』 ふらんす堂、2006年
- 『深見けん二俳句集成』 ふらんす堂、2016年
- 『夕茜』 ふらんす堂、2018年
- 『もみの木』 ふらんす堂、2021年
俳書
- 『虚子の天地』 蝸牛社、1996年
- 『虚子『五百句』入門』 蝸牛新社、2003年
- 『四季を詠む』 日本放送協会出版、2003年
- 『吟行入門 私の武蔵野探勝』 小島ゆかりとの共著、日本放送協会出版、2003年
- 『折にふれて』 ふらんす堂、2007年
- 『選は創作なり―高浜虚子を読み解く』 NHK出版、2011年
脚注
- ^ ふらんす堂によるTwitterへの投稿(2021年9月17日)
- ^ a b c d “俳人の深見けん二氏死去”. 時事通信社. (2021年9月17日). https://web.archive.org/web/20210917163255/https://www.jiji.com/jc/article?k=2021091700913 2021年9月18日閲覧。
- ^ a b c “深見けん二氏が死去 俳人”. 日本経済新聞. 共同通信社. (2021年9月17日). https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE17ADN0X10C21A9000000/ 2021年9月18日閲覧。
- ^ a b c "深見けん二". デジタル版 日本人名大辞典+Plus. コトバンクより2021年9月18日閲覧。
参考文献
外部リンク
ポータル 文学
- 現代俳句人名事典における深見けん二の俳句(現代俳句協会)
- 深見けん二の句の鑑賞 - ウェイバックマシン(2014年4月7日アーカイブ分)(増殖する俳句歳時記)
- 深見けん二作品をめぐって(句集『水影』) - ウェイバックマシン(2014年4月7日アーカイブ分)(吉野裕之)
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