類体論の年表

類体論(るいたいろん、: class field theory)とは、局所体大域体アーベル拡大を研究する数学の一分野である。

年表

  • 1801年 カール・フリードリヒ・ガウス平方剰余の相互法則を証明。
  • 1829年 ニールス・アーベルがレムニスケート関数の特殊値を用いて Q ( i ) {\displaystyle \mathbb {Q} (i)} のアーベル拡大を構成。
  • 1837年 ペーター・グスタフ・ディリクレ算術級数定理
  • 1853年 レオポルト・クロネッカークロネッカー・ウェーバーの定理を発表。
  • 1880年 クロネッカーが虚2次体のアーベル拡大に関するクロネッカーの青春の夢リヒャルト・デーデキントに書き送る。
  • 1886年 ハインリヒ・マルティン・ヴェーバー(英語版)がクロネッカー・ウェーバーの定理を証明(軽微な不備あり)。
  • 1896年 ダフィット・ヒルベルトがクロネッカー・ウェーバーの定理をはじめて完全に証明。
  • 1897年 ヴェーバーが射類群(ray class groups)と一般のイデアル類群を考案。
  • 1897年 ヒルベルトが数論報文(英語版)(Zahlbericht)を出版。
  • 1897年 ヒルベルトが平方剰余の相互法則をヒルベルト記号(英語版)の積公式として再定式化。
  • 1897年 クルト・ヘンゼルp 進数を創始。
  • 1898年 ヒルベルトが(狭義の)ヒルベルト類体の存在と性質を予想。類数2の場合に証明。
  • 1907年 フィリップ・フルトヴェングラーがヒルベルト類体の存在と基本的な性質を証明。
  • 1908年 ヴェーバーが一般のイデアル類群について類体を定義。
  • 1920年 高木貞治が数体のアーベル拡大とはイデアル類群の類体に他ならないことを証明。
  • 1922年 高木が相互法則に関する論文を発表。
  • 1923年 ヘルムート・ハッセが(二次形式という特別な場合について)ハッセ原理(英語版)を見つける。
  • 1923年 エミール・アルティンが一般相互法則を予想。
  • 1924年 アルティンがアルティンの L 関数を考案。
  • 1926年 ニコライ・チェボタレフチェボタレフの密度定理を証明。
  • 1927年 アルティンが一般相互法則を証明。ガロア群とイデアル類群の間に標準的な同型写像を与える。
  • 1930年 フルトヴェングラーとアルティンが主イデアル定理(英語版)を証明。
  • 1930年 ハッセが局所類体論(英語版)を創始。
  • 1931年 ハッセがハッセのノルム定理(英語版)を証明。
  • 1931年 ハッセが局所体上の単純多元環を分類。
  • 1931年 ジャック・エルブランエルブラン商(英語版)を考案。
  • 1931年 大域体上の単純多元環についてのハッセ原理であるアルバート・ブラウアー・ハッセ・ネーター定理(英語版)が証明される。
  • 1933年 ハッセが数体上の単純多元環を分類。
  • 1934年 マックス・ドイリンク(英語版)エミー・ネーターが多元環を用いる類体論を展開。
  • 1936年 クロード・シュヴァレーイデールを考案。
  • 1940年 シュヴァレーがイデールを用いてアーベル拡大の第2不等式を代数的に証明。
  • 1948年 王湘浩(英語版)(Wang Xianghao)がグリュンヴァルト(Grunwald)の誤りを修正し、グリュンヴァルト・ワン定理(英語版)を証明。
  • 1950年 ジョン・テイト学位論文でアデール環上の解析学を用いてゼータ関数を研究。
  • 1951年 アンドレ・ヴェイユヴェイユ群を考案。
  • 1952年 アルティンとテイトが類体論についてのノートで類構造(英語版)を考案。
  • 1952年 ゲルハルト・ホッホシルト(英語版)中山正が類体論に群のコホモロジーを持ち込む。
  • 1952年 テイトがテイト・コホモロジー群(英語版)を考案。
  • 1964年 Evgeny Golod (英語版イゴール・シャハレビッチ類体塔(英語版)が無限に続きえることを証明。
  • 1965年 ジョナサン・ルビン(英語版)とテイトがルビン・テイト形式群(英語版)を使って局所体の分岐アーベル拡大を構成。

参考文献

  • Conrad, Keith, History of class field theory, http://www.math.uconn.edu/~kconrad/blurbs/gradnumthy/cfthistory.pdf 
  • Hasse, Helmut (1967), “History of class field theory”, Algebraic Number Theory, Washington, D.C.: Thompson, pp. 266–279, MR0218330 
  • Iyanaga, S. (1975) [1969], “History of class field theory”, The theory of numbers, North Holland, pp. 479–518 
  • Roquette, Peter (2001), “Class field theory in characteristic p, its origin and development”, Class field theory—its centenary and prospect (Tokyo, 1998), Adv. Stud. Pure Math., 30, Tokyo: Math. Soc. Japan, pp. 549–631, http://www.rzuser.uni-heidelberg.de/~ci3/klkall.ps