ジャコビー・エルズベリー

この記事の項目名には以下のような表記揺れがあります。
  • ジャコビー・エルズバリー
  • ジャコビー・エルスバリー
ジャコビー・エルズベリー
Jacoby Ellsbury
ボストン・レッドソックスでの現役時代
(2011年7月20日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 オレゴン州マドラス
生年月日 (1983-09-11) 1983年9月11日(40歳)
身長
体重
6' 1" =約185.4 cm
195 lb =約88.5 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 外野手
プロ入り 2005年 MLBドラフト1巡目
初出場 2007年6月30日
最終出場 2017年9月30日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
この表について
この表はテンプレートを用いて表示しています。編集方法はTemplate:Infobox baseball playerを参照してください。

プロジェクト:野球選手  ■テンプレート

ジャコビー・マケイブ・エルズベリーJacoby McCabe Ellsbury, 英語発音: [d͡ʒəˈkoʊbi ˈɛlzˌbɛri]; 1983年9月11日 - )は、アメリカ合衆国オレゴン州マドラス出身の元プロ野球選手外野手)。左投左打。愛称は、「チーフ[1]」、「タコビー・ベルズバリーTacoby Bellsbury[2]」。

アメリカ先住民であるナバホ族初のメジャーリーガーでもある。

経歴

プロ入り前

2002年MLBドラフト23巡目(全体674位)タンパベイ・デビルレイズから指名されたが[3]、契約はせず、その後オレゴン州立大学に進学した。

プロ入りとレッドソックス時代

2005年MLBドラフト1巡目(全体23位)でボストン・レッドソックスから指名され[4]、入団した。

2007年6月30日、本拠地フェンウェイ・パークで行われたテキサス・レンジャーズ戦でメジャーデビューした。ココ・クリスプが負傷したことにより昇格し、9番センターとしてスタメン起用された。初ヒットはその試合で3回裏にロビンソン・テヘダから放った。初盗塁は7月2日の同じくレンジャーズ戦でブランドン・マッカーシージェラルド・レアードのバッテリーから記録した。またその試合では二塁塁上から暴投で一気に本塁生還を果たし、その走力の高さを見せ付けることになった。その後は7月5日にマイナーへ降格し、8月17日に一旦昇格するもののメジャーに定着することは無かった。

9月1日のロースター拡大(セプテンバーコールアップ)に伴い、再びメジャー昇格。9月2日にはボルチモア・オリオールズ戦でダニエル・カブレラからメジャー初本塁打を放った。9月は活躍が認められアメリカンリーグルーキー・オブ・ザ・マンスを受賞した。

9月の活躍が認められポストシーズンのロースターに登録されるとココ・クリスプの不調に伴い、アメリカンリーグ優勝決定シリーズALCS)第6戦以降は先発選手として起用される。結局ポストシーズンは合計11試合で打率.360、25打数9安打2盗塁と結果を残した。10月27日のワールドシリーズ第3戦では新人としては史上初の1イニング2二塁打を放ち(MLBでは2001年マット・ウィリアムズ以来史上2人目)、新人では史上3人目の1試合4安打を記録した。

ボストン・レッドソックス時代
(2008年7月23日)

2008年は、まだ新人資格は引き続き有しているため、新人王有力候補と目され[5]、2008年のベースボール・アメリカの有望株ランキングでは13位[6]、レッドソックス傘下ではクレイ・バックホルツに次ぐ2位にランクされた[7]。開幕からリードオフマンとして出場し続けた。5月18日にメジャーデビューからの連続盗塁成功が25で途切れたが、1951年以降でティム・レインズの27、ミッチェル・ページに次ぐ長さとなった[8]。6月15日にはアンビー・マコネルが記録した31盗塁の球団新人記録を100年ぶりに更新[9]。球団史上3位の50盗塁で最多盗塁のタイトルを獲得し、98得点はダスティン・ペドロイアの118得点に次ぐチーム2位。新人王の投票ではエバン・ロンゴリアアレクセイ・ラミレスに次いで3位の票を集めた。

2009年4月26日、対ヤンキース戦、5回裏二死満塁でホームスチールを決め地元ファンを沸かせた。「失敗したら最悪だったが、(相手投手の)アンディ・ペティットの投球を見て、絶対に成功すると思ったから行った。」と話した[10]

2010年から背番号を46から2に変更している。開幕直後、守備の際にエイドリアン・ベルトレと交錯し肋骨を骨折。5月下旬に復帰したものの再びDL入り。結局3度のDL入りの影響で18試合に留まった。

2011年は自己最多の158試合に出場、打率.321、32本塁打、212安打といずれもキャリアハイの成績を残し、さらにシーズン終了後には初のゴールドグラブ賞シルバースラッガー賞を受賞した。ア・リーグMVPの投票では、ジャスティン・バーランダーに次いで2位に入った。

2012年1月17日に年俸800万5000ドルで合意。調停2年目の選手としてはミゲル・カブレラに次いで史上2位の高額である[11]。シーズンでは開幕直後に右肩を亜脱臼し、74試合の出場に留まった。

2013年は134試合に出場し、打率.298、9本塁打、53打点だった。盗塁はリーグトップの52盗塁を記録した。10月31日にFAとなった。

ヤンキース時代

2013年12月7日にニューヨーク・ヤンキースと総額1億5300万ドルの7年契約(2021年・2100万ドルの球団オプション付き[12])を結んだ[13][14]

2014年は負傷による離脱もあったが、自己2位となる149試合に出場。打率.271、16本塁打、70打点(自己2位)、39盗塁(ア・リーグ2位)という成績を記録した。

ニューヨーク ・ヤンキースでの現役時代
(2015年4月13日)

2015年5月19日の対ワシントン・ナショナルズ戦で右膝を痛め、後に15日間の故障者リスト入りした[15]。その後復帰し、111試合に出場したが、打率.257、7本塁打、33打点、21盗塁に留まった。

2016年4月22日のタンパベイ・レイズ戦の5回裏にホームスチールを決めた[16]。ヤンキース3シーズン目の同年は148試合に出場。打率.263、9本塁打、56打点、20盗塁を記録した。

2018年は開幕前に右脇腹を負傷し[17]、故障者リスト入りした。8月6日に左臀部の手術を受け、全治に6ヶ月を要したため、この年の出場はなかった[18]

2019年も左臀部の手術の影響で開幕から負傷者リスト入りし[19]、9月8日には今シーズンの復帰がないことが明らかにされた[20]。11月20日に契約解除されたことが報じられ、自由契約となった[21]

その後、ケガ離脱中に球団の承認を得ない医療機関の治療を受ける契約違反をしたとして、ヤンキースが残り契約金2600万ドルの支払いを拒否していることが判明[22]。これに対し、MLB選手会が仲裁の申し立てを行った[23]

詳細情報

年度別打撃成績

















































O
P
S
2007 BOS 33 127 116 20 41 7 1 3 59 18 9 0 0 2 8 0 1 15 2 .353 .394 .509 .902
2008 145 609 554 98 155 22 7 9 218 47 50 11 4 3 41 2 7 80 9 .280 .336 .394 .729
2009 153 691 624 94 188 27 10 8 259 60 70 12 6 6 49 3 6 74 13 .301 .355 .415 .770
2010 18 83 78 10 15 4 0 0 19 5 7 1 0 0 4 0 1 9 0 .192 .241 .244 .485
2011 158 729 660 119 212 46 5 32 364 105 39 15 3 5 52 1 9 98 8 .321 .376 .552 .928
2012 74 323 303 43 82 18 0 4 112 26 14 3 0 1 19 0 0 43 5 .271 .313 .370 .682
2013 134 636 577 92 172 31 8 9 246 53 52 4 1 2 47 3 5 92 12 .298 .355 .426 .781
2014 NYY 149 635 575 71 156 27 5 16 241 70 39 5 0 7 49 5 3 93 9 .271 .328 .419 .747
2015 111 501 452 66 116 15 2 7 156 33 21 9 1 3 35 1 7 86 6 .257 .318 .345 .663
2016 148 626 551 71 145 24 5 9 206 56 20 8 4 3 56 1 2 84 11 .263 .330 .374 .703
2017 112 409 356 65 94 20 4 7 143 39 22 3 2 0 41 3 5 63 7 .264 .348 .402 .750
MLB:11年 1235 5375 4846 749 1376 241 47 104 2023 512 343 71 21 32 399 19 46 737 82 .284 .342 .417 .760
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績



左翼(LF) 中堅(CF) 右翼(RF)




































2007 BOS 22 37 0 0 0 1.000 16 38 0 0 0 1.000 1 0 0 0 0 ----
2008 58 89 1 0 1 1.000 66 171 3 0 1 1.000 36 72 0 0 0 1.000
2009 - 153 357 4 2 1 .994 -
2010 6 11 0 0 0 1.000 13 33 0 0 0 1.000 -
2011 - 154 388 6 0 3 1.000 -
2012 - 73 164 2 3 1 .982 -
2013 - 134 347 3 3 2 .992 -
2014 NYY - 141 380 3 1 1 .997 -
2015 - 110 232 5 0 2 1.000 -
2016 - 148 272 5 3 1 .989 -
2017 - 97 193 1 3 0 .985 -
MLB 86 137 1 0 1 1.000 1105 2575 32 15 12 .994 37 72 0 0 0 1.000
  • 2020年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高
  • 各年度の太字年ゴールドグラブ賞受賞

タイトル

  • 盗塁王:3回(2008年、2009年、2013年)

表彰

記録

  • ボストン・レッドソックス球団新人最多盗塁記録:2008年(50盗塁)
  • 1試合刺殺外野手MLBタイ記録:2009年5月20日(12刺殺)
  • MLBオールスターゲーム選出:1回(2011年
  • 通算打撃妨害:30(歴代1位、従来の記録はピート・ローズ[24]
  • シーズン打撃妨害:12(2016年、歴代1位、従来の記録はロベルト・ケリー(英語版)の8)[25]

諸記録

  • 先頭打者本塁打:14本
  • ランニング本塁打:1本(2011年9月19日)
  • 単独ホームスチール:2回(2009年4月26日、2016年4月22日)

背番号

  • 46(2007年 - 2009年)
  • 2(2010年 - 2013年)
  • 22(2014年 - 2017年)

脚注

  1. ^ Yanks Players Weekend nicknames explained MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年8月27日閲覧
  2. ^ Callis. “Jacoby Ellsbury Stats” (英語). 2017年9月14日閲覧。
  3. ^ “2002 DRAFT TRACKER” (英語). MLB.com. 2023年7月16日閲覧。
  4. ^ “2005 DRAFT TRACKER” (英語). MLB.com. 2023年7月16日閲覧。
  5. ^ 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2008』廣済堂出版、2008年、49頁頁。ISBN 978-4-331-51300-2。 
  6. ^ Callis, Jim (2008年2月25日). “Top 100 Prospects: No. 1-20” (英語). BaseballAmerica.com. 2009年2月5日閲覧。
  7. ^ Callis, Jim (2008年1月4日). “Boston Red Sox: Top 10 Prospects” (英語). BaseballAmerica.com. 2009年2月5日閲覧。
  8. ^ Associated Press (2008年5月18日). “Behind Ortiz's blasts, Red Sox sweep away Brewers” (英語). ESPN.com. 2009年2月4日閲覧。
  9. ^ Petraglia, Mike (2008年5月18日). “Brewers swipe Ellsbury's history attempt Sox speedster gets caught stealing for first time in his career” (英語). MLB.com. 2009年2月4日閲覧。
  10. ^ Ian Browne. “Ellsbury steals home against Yanks”. MLB.com. 2009年4月27日閲覧。
  11. ^ Dierkes, Tim(2012-01-17). Red Sox Avoid Arbitration With Jacoby Ellsbury. MLBTradeRumors.com(英語). 2012年1月23日閲覧
  12. ^ 違約金は500万ドル。
  13. ^ “Yankees sign outfielder Jacoby Ellsbury to a seven-year contract”. MLB.com Yankees Press Release (2013年12月7日). 2014年12月21日閲覧。
  14. ^ Bryan Hoch (2013年12月8日). “Ellsbury, Yankees complete seven-year deal”. MLB.com. 2014年12月21日閲覧。
  15. ^ “ヤンキース・エルズベリーがDL入り”. 日刊スポーツ (2015年5月21日). 2015年10月7日閲覧。
  16. ^ “ヤンキース・エルズベリーがDL入り”. 日刊スポーツ (2016年4月23日). 2017年3月3日閲覧。
  17. ^ “ヤンキース エルズベリーが開幕絶望 右脇腹痛め故障者リスト入り”. スポニチアネックス. (2018年3月20日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2018/03/20/kiji/20180320s00001007071000c.html 2018年10月7日閲覧。 
  18. ^ “ヤンキース・エルズベリー、左臀部手術で今季全休”. 日刊スポーツ. (2018年8月8日). https://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/201808080000326.html 2018年10月7日閲覧。 
  19. ^ “年俸23億の“不良債権化”するヤ軍35歳、2010年代最高の中堅手10選に「忘れては…」”. Full-count. 2019年11月1日閲覧。
  20. ^ “Yankees' Jacoby Ellsbury: Will not play in 2019”. CBSSports.com. 2019年11月1日閲覧。
  21. ^ “ヤ軍、年俸23億円“不良債権”エルズベリーと契約解除 直近2年間で一度も出場せず”. Full-count. 2019年11月21日閲覧。
  22. ^ “ヤンキース金銭闘争へ エルズベリーと残り年俸巡り”. nikkansports.com. 2019年12月20日閲覧。
  23. ^ “ヤンキースに選手会が苦情申し立て 戦力外エルズベリーへの28億円支払い拒否に対し”. デイリースポーツ. 2019年12月20日閲覧。
  24. ^ “エルズベリー、打撃妨害出塁で最多記録=米大リーグ”. 時事通信社. (2017年9月12日). https://web.archive.org/web/20171008181331/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017091200565&g=bsb 2017年10月8日閲覧。 
  25. ^ “The catcher's interference record is a symptom of Jacoby Ellsbury's problem at the plate - River Avenue Blues” (英語). River Avenue Blues (2017年1月26日). 2017年10月8日閲覧。

関連項目

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、ジャコビー・エルズベリーに関連するカテゴリがあります。
  • 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
  • Jacoby Ellsbury stats MiLB.com (英語)
  • Jacoby Ellsbury (@JacobyEllsbury) - X(旧Twitter)
  • Jacoby Ellsbury - 25 - Male - BOSTON, Massachusetts - Myspace
 
業績
アメリカンリーグ盗塁王
1900年代
1910年代
1920年代
1930年代
  • 30 マーティー・マクマナス(英語版)
  • 31 ベン・チャップマン(英語版)
  • 32 ベン・チャップマン(英語版)
  • 33 ベン・チャップマン(英語版)
  • 34 ビリー・ワーバー(英語版)
  • 35 ビリー・ワーバー(英語版)
  • 36 リン・ラリー(英語版)
  • 37 ベン・チャップマン(英語版)ビリー・ワーバー(英語版)
  • 38 フランキー・クロセッティ
  • 39 ジョージ・ケース(英語版)
1940年代
  • 40 ジョージ・ケース(英語版)
  • 41 ジョージ・ケース(英語版)
  • 42 ジョージ・ケース(英語版)
  • 43 ジョージ・ケース(英語版)
  • 44 スナッフィー・スターンワイス(英語版)
  • 45 スナッフィー・スターンワイス(英語版)
  • 46 ジョージ・ケース(英語版)
  • 47 ボブ・ディリンジャー(英語版)
  • 48 ボブ・ディリンジャー(英語版)
  • 49 ボブ・ディリンジャー(英語版)
1950年代
1960年代
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代
  • 捕手
  • 一塁手
  • 二塁手
  • 三塁手
  • 遊撃手
  • 指名打者
1950年代
1960年代
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代

※1957年のみ、両リーグ合同で選出。メイズはナショナルリーグ所属選手。

  • 投手
  • 捕手
  • 一塁手
  • 二塁手
  • 三塁手
  • 遊撃手
アメリカンリーグ カムバック賞
1960年代
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代
 
ボストン・レッドソックス ワールドシリーズ(2回)
ボストン・レッドソックス 2007年のワールドシリーズ ロースター
   

監督
47 テリー・フランコーナ

コーチ
02 ブラッド・ミルズ(ベンチ)
16 ルイス・アリセア(一塁)
29 デーブ・マガダン(打撃)
35 ディマーロ・ヘイル(三塁)
52 ジョン・ファレル(投手)
57 ゲイリー・タック(ブルペン)

ボストン・レッドソックス 2013年のワールドシリーズ ロースター
   

監督
53 ジョン・ファレル

コーチ
13 ブライアン・バターフィールド(三塁)
17 トーリ・ロブロ(ベンチ)
28 グレッグ・コルブラン(打撃)
43 アーニー・ベイラー(一塁)
47 フアン・ニエベス(投手)
57 ビクター・ロドリゲス(打撃補佐)
58 デイナ・レバンジー(ブルペン)

  • 表示
  • 編集