アドリス・ガルシア

この名前は、スペイン語圏の人名慣習に従っています。第一姓(父方の姓)はガルシア第二姓(母方の姓)はアリエータです。
アドリス・ガルシア
Adolis García
テキサス・レンジャーズ #53
AAA級メンフィス・レッドバーズ時代
(2019年4月28日)
基本情報
国籍フランスの旗 フランスへ亡命)
出身地  キューバ
シエゴ・デ・アビラ州
生年月日 (1993-03-02) 1993年3月2日(31歳)
身長
体重
6' 1" =約185.4 cm
205 lb =約93 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 外野手
プロ入り 2017年 アマチュアFA
初出場 NPB/ 2016年6月16日
MLB/ 2018年8月8日
年俸 $747,760(2023年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
派遣歴
国際大会
代表チーム キューバの旗 キューバ
この表について
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プロジェクト:野球選手  ■テンプレート

ホセ・アドリス・ガルシア・アリエータJosé Adolis García Arrieta, 1993年3月2日 - )は、キューバシエゴ・デ・アビラ州出身のプロ野球選手外野手)。右投右打。MLBテキサス・レンジャーズ所属。

MiLB、MLBでの登録名アドリス・ガルシア(Adolis García)。

8歳年上の兄であるアドニス・ガルシアもプロ野球選手。

経歴

キューバ時代

シエゴデアビラのスポーツイニシエーションスクールであるMarina Samuel Noble[2][3](陸上競技選手の養成専門学校)を卒業後、2011年-2012年シーズンにティグレス・デ・シエゴ・デ・アビラの選手として、キューバの国内リーグ「セリエ・ナシオナル・デ・ベイスボル」デビュー。2015年まで在籍。

2015年7月にパンアメリカン競技大会の男子野球キューバ代表に選出された[4][5]

2016年2月にはシエゴ・デ・アビラの補強選手としてカリビアンシリーズに出場。3月にタンパベイ・レイズとの親善試合のキューバ代表に選出された。

NPB時代

4月21日にはNPB読売ジャイアンツへの派遣が発表された[6]。6月に一軍デビューしたが[7]、4試合に出場して7打数無安打という成績で二軍落ちし[8]、8月18日に契約解除となった[9]。その後、8月20日にキューバに到着予定であったが、経由地のフランスで消息を絶ち、亡命のために失踪した可能性が高いと報じられた[10]。12月2日に正式にアメリカ合衆国のFAとして公示された。

カージナルス時代

2017年2月24日にセントルイス・カージナルスとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加したが、開幕は傘下のAA級スプリングフィールド・カージナルスで迎え、AAA級メンフィス・レッドバーズと昇降を繰り返してシーズンを終えた[11]

2018年2月7日にスプリングトレーニングに招待されたが、開幕はAAA級メンフィスで迎えた。8月6日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りすると[11]、8日のマイアミ・マーリンズ戦にて「8番・中堅手」で先発出場してメジャーデビュー(結果は4打数無安打)[12]

2019年はMLBでの出場は無かった。オフの12月18日にDFA(英語版)となった[13]

レンジャーズ時代

2019年12月21日に金銭トレードテキサス・レンジャーズへ移籍した[14]

2020年は2年ぶりにMLBでプレーした。

2021年2月10日にDFAとなり、12日にマイナー契約となった[15]。4月13日にメジャー昇格。翌14日の対タンパベイ・レイズ戦の7回表、クリス・マッツァから中堅方向へ大飛球を打ち上げる。打球はフェンスギリギリでスタンドインしたかに見えたがフェンス手前と判定され、打球が跳ね返っている間に本塁を突き、クロスプレイとなるも生還し、ランニング本塁打によるMLB初本塁打と思われた矢先、リプレイ検証でアウトになり、二重の形でMLB初本塁打が取り消された。しかし翌15日の対レイズ戦10回表にコディ・リードから右翼スタンドへ正真正銘のMLB初本塁打を放った[16]。4月26日にア・リーグプレイヤー・オブ・ザ・ウィーク(英語版)に選出された[17]。7月4日に控え野手として自身初となるオールスターゲームに選出された[18]。7月13日に開催されたオールスターゲームでは6回裏に中堅手で先発出場していたオリオールズのセドリック・マリンズに変わって守備についてオールスターゲーム初出場を果たした[19]。9回表にカブスのクレイグ・キンブレルからオールスターゲーム初安打を記録した[19]。最終的に149試合に出場し、31本塁打、90打点を記録し、本塁打と打点でレンジャーズの新人記録を更新した[20][21]。オフには新人王の最終候補に選出されたが、同じキューバ出身でカージナルス傘下時代の元チームメイトのランディ・アロサレーナが受賞した[22]

2023年7月2日に選手間投票で通算2度目となるオールスターゲームに選出された[23]。7月5日に本塁打競争への参加を表明した[24]。7月7日にオールスターゲームに先発出場が決定していたアーロン・ジャッジマイク・トラウトの辞退により、オースティン・ヘイズと共に先発出場することになった[25]。9月6日のアストロズ戦で守備中に負傷交代し故障者リスト入りした。この年はキャリアハイとなる大谷翔平に次ぐリーグ2位の39本塁打、107打点と活躍した[26]。ポストシーズンは15試合に出場し、打率.323、8本塁打、22打点とチームの世界一に貢献した[26]。11月7日には右翼手でゴールドグラブ賞を初受賞した[27]

2024年2月8日、2年総額1400万ドル、MVP受賞など条件をクリアすれば最大2025万ドルとなる契約を結ぶ[28]

選手としての特徴・人物

走攻守3拍子揃った外野手[29]。打撃は強打者タイプで[30]、守備では強肩が魅力[31][27]

巨人時代を振り返り、「一生懸命に練習したが、適応に時間がかかってしまった。ほとんど二軍暮らしだったが、巨人での経験にとても感謝している」と語っている[32]。また、当時同僚であった長野久義について「慣れない日本で辛い思いをしている時に、いつも助けてくれたのは(同じ外野手の)長野さんだった。腕を回して慰めてくれたこともあった。長野さんとの出会いは日本での成功体験だった」と語っている[32]

詳細情報

年度別打撃成績

















































O
P
S
2011-2012 CAV 27 38 37 3 8 1 0 1 12 3 0 0 1 0 0 0 0 9 1 .216 .216 .324 .541
2012-2013 29 14 13 10 3 0 0 0 3 1 0 0 0 0 0 0 1 4 0 .231 .286 .231 .516
2013-2014 40 145 128 17 36 5 3 1 50 11 3 2 7 0 8 1 2 28 1 .281 .333 .391 .724
2014-2015 85 378 342 62 110 14 3 12 166 53 11 14 6 4 20 1 6 67 5 .322 .366 .485 .851
2016 巨人 4 7 7 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 0 .000 .000 .000 .000
2018 STL 21 17 17 3 2 1 0 0 3 1 0 0 0 0 0 0 0 7 0 .118 .118 .176 .294
2020 TEX 3 7 6 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 4 0 .000 .143 .000 .143
2021 149 622 581 77 141 26 2 31 264 90 16 5 0 4 32 0 5 194 15 .243 .286 .454 .741
2022 156 657 605 88 151 34 5 27 276 101 25 6 0 6 40 2 6 183 9 .250 .300 .456 .756
2023 148 632 555 108 136 29 0 39 282 107 9 1 0 6 65 2 6 175 12 .245 .328 .508 .836
CNS:4年 181 575 520 92 157 20 6 14 231 68 14 16 14 4 28 2 9 108 7 .302 .346 .444 .790
NPB:1年 4 7 7 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 0 .000 .000 .000 .000
MLB:5年 477 1942 1764 275 430 90 7 97 825 299 50 12 0 16 138 2 17 563 36 .244 .302 .468 .770
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績



左翼(LF) 中堅(CF) 右翼(RF)




































2018 STL 4 1 0 0 0 1.000 1 2 0 0 0 1.000 7 1 0 1 0 .500
2020 TEX 3 8 0 0 0 1.000 - -
2021 9 7 0 0 0 1.000 79 206 7 3 1 .986 51 112 9 1 2 .992
2022 - 57 105 2 1 0 .991 93 164 8 4 1 .977
2023 - 8 15 0 1 0 .938 135 283 11 5 1 .983
MLB 16 16 0 0 0 1.000 145 328 9 5 1 .985 286 560 28 11 4 .982

タイトル

キューバ

表彰

MLB

記録

NPB
MLB

背番号

  • 79(2016年)
  • 28(2018年)
  • 53(2020年 - )

登場曲

  • 「Lo Que Tengo Yo!」(2016年)

代表歴

  • 2015年パンアメリカン競技大会男子野球キューバ代表

脚注

  1. ^ “Adolis Garcia Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2023年5月9日閲覧。
  2. ^ http://www.panoramio.com/photo/61175881
  3. ^ http://www.cubaheadlines.com/2007/12/14/7692/sport_teaching_system_enhanced_in_ciego_de_avila.html
  4. ^ Provisional Athletes List[リンク切れ] Toronto2015 Pan Am/Parapan Am (英語) 2015年8月9日閲覧 (PDF)
  5. ^ Baseball - Athlete Profile Cuba Toronto2015 Pan Am/Parapan Am (英語) 2015年8月9日閲覧
  6. ^ “新外国人選手との契約合意について”. 読売巨人軍公式サイト (2016年4月21日). 2024年2月12日閲覧。
  7. ^ “巨人・ガルシア、空振り三振デビュー”. サンスポ (2016年6月16日). 2021年5月23日閲覧。
  8. ^ “巨人・ガルシア 成績だけじゃなかった退団理由”. 東京スポーツ (2016年8月19日). 2021年5月23日閲覧。
  9. ^ “巨人 ガルシアとの契約解除、堤GM「来年の戦力に入れない」”. スポニチ. (2016年8月18日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2016/08/18/kiji/K20160818013192090.html 2016年8月23日閲覧。 
  10. ^ “巨人と契約解除のガルシア、キューバ帰国途中で失踪? 米メディア「メジャーリーグ入りへ亡命の可能性」”. ベースボールチャンネル. (2016年8月23日). http://www.baseballchannel.jp/npb/21520/ 2016年8月23日閲覧。 
  11. ^ a b MLB公式プロフィール参照。2018年8月7日閲覧。
  12. ^ https://twitter.com/Cardinals/status/1027336094319304705
  13. ^ Anne Rogers (2019年12月18日). “Cardinals sign Korean lefty Kim to 2-year deal” (英語). MLB.com. 2019年12月19日閲覧。
  14. ^ Manny Randhawa (2019年12月21日). “Rangers land rookie OF Garcia from Cardinals” (英語). MLB.com. 2019年12月22日閲覧。
  15. ^ Steve Adams (2021年2月12日). “Rangers Announce Several Roster Moves” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年2月13日閲覧。
  16. ^ “元巨人ガルシア、"幻の本塁打"の翌日にメジャー初アーチ 延長10回に劇的決勝弾”. Full-Count (2021年4月16日). 2021年5月23日閲覧。
  17. ^ David Adler (2021年4月26日). “Players of the Week: García, Tatis, MadBum” (英語). MLB.com. 2021年4月27日閲覧。
  18. ^ Sarah Langs, Thomas Harrigan (2021年7月11日). “Your 2021 MLB All-Stars by position” (英語). MLB.com. 2021年7月13日閲覧。
  19. ^ a b Kennedi Landry (2021年7月14日). “'Just special': Rangers trio represents in ASG” (英語). MLB.com. 2021年7月31日閲覧。
  20. ^ “元巨人ガルシアが31HR&90打点、レンジャーズ新人記録塗り替え”. 日刊スポーツ (2021年10月1日). 2024年2月12日閲覧。
  21. ^ “劇的V弾の元巨人助っ人、失踪経てスター選手に 大谷翔平と争った30歳が記録的躍動”. Full-Count (2023年10月28日). 2024年2月12日閲覧。
  22. ^ Kennedi Landry (2021年11月16日). “Arozarena 'shares' ROY honor with pal Adolis” (英語). MLB.com. 2021年11月17日閲覧。
  23. ^ Thomas Harrigan (2023年7月2日). “Breaking down the full 2023 All-Star Game rosters” (英語). MLB.com. 2023年7月3日閲覧。
  24. ^ Kennedi Landry (2023年7月5日). “García rounds out HR Derby field with Texas-sized power” (英語). MLB.com. 2023年7月6日閲覧。
  25. ^ David Adler (2023年7月7日). “Adolis, Hays join Arozarena as starting outfielders for AL” (英語). MLB.com. 2023年7月9日閲覧。
  26. ^ a b “大谷翔平を唯一超えた男 世界一もたらした「47」…1年間を通して"隠れ2冠王"”. Full-Count (2023年11月8日). 2024年2月12日閲覧。
  27. ^ a b “ゴールドグラブ賞発表 元巨人のレンジャーズ・ガルシアが右翼手で選出 最多受賞は4度 新人2選手も選出”. スポーツ報知 (2023年11月6日). 2024年2月12日閲覧。
  28. ^ “元巨人ガルシアがレンジャーズと2年契約 MVPなど条件クリアで最大30億円 昨季は大谷と本塁打王争い”. スポニチ Sponichi Annex (2024年2月9日). 2024年2月11日閲覧。
  29. ^ “巨人 キューバ選手獲り!22歳外野手ガルシア有力…地元紙報じる”. スポニチ Sponichi Annex (2015年12月10日). 2023年11月11日閲覧。
  30. ^ “巨人新外国人、ガルシアが入団会見「チーム助けたい」3軍スタートへ”. スポニチ Sponichi Annex (2016年5月23日). 2023年11月11日閲覧。
  31. ^ “元巨人のレンジャーズ・ガルシアが154キロの本塁送球、指揮官ら称賛”. 日刊スポーツ (2021年9月24日). 2023年11月11日閲覧。
  32. ^ a b “世界一レンジャーズの主砲ガルシアが感謝する巨人の選手とは 「つらい時にいつも助けてくれた」”. スポニチ Sponichi Annex (2023年11月11日). 2023年11月11日閲覧。

関連項目

外部リンク

  • 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
  • Jose Adolis Garcia stats MiLB.com (英語)
  • Cuban baseball statistics(プレーオフや選抜リーグなども合算したキューバ国内リーグ通算成績)
  • 個人年度別成績 J.A.ガルシア - NPB.jp 日本野球機構
  • 選手情報 - 週刊ベースボールONLINE
  • Adolis Garcia (@joseadolis) - Instagram
テキサス・レンジャーズ ロースター
投手
捕手
内野手
外野手
監督・コーチ
  • 15 ブルース・ボウチー(監督)
  • 83 ウィル・ベナブル(助監督)
  • 14 ドニー・エッカー(英語版)(ベンチコーチ兼攻撃コーディネイター)
  • 75 ティム・ハイヤーズ(英語版)(打撃コーチ)
  • 86 セス・コナー(英語版)(打撃コーチ補佐)
  • 41 マイク・マダックス(投手コーチ)
  • 64 コーリー・ラグスデール(英語版)(一塁コーチ)
  • 27 トニー・ビーズリー(英語版)(三塁コーチ)
  • 87 ブレット・ヘイズ(ブルペンコーチ)
  • 88 ボビー・ウィルソン(捕手コーチ)
  • -- パット・キャントウェル(ブルペン捕手)
  • -- チェイス・カサリ(ブルペン捕手)
公式サイト(英語)より 40人ロースター 監督・コーチ一覧 2024年5月10日更新
 
業績
1950年代
1960年代
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代

※1957年のみ、両リーグ合同で選出。メイズはナショナルリーグ所属選手。

  • 投手
  • 捕手
  • 一塁手
  • 二塁手
  • 三塁手
  • 遊撃手
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代
1940年代
  • 49 ジョー・ペイジ(英語版)
1950年代
1960年代
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代
テキサス・レンジャーズ 2023年のワールドシリーズ ロースター
   

監督
15 ブルース・ボウチー

コーチ
27 トニー・ビーズリー(三塁)
41 マイク・マダックス(投手)
64 コーリー・ラグスデール(一塁)
75 ティム・ハイヤーズ(打撃)
83 ウィル・ベナブル(助監督)
86 セス・コナー(打撃補佐)
87 ブレット・ヘイズ(ブルペン)
88 ボビー・ウィルソン(捕手)

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ホセ・アドリス・ガルシアに関するカテゴリ:
  • 読売ジャイアンツ及び東京巨人軍の選手
  • 野球キューバ代表選手