1987年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)のポストシーズンは10月6日に開幕した。アメリカンリーグの第19回リーグチャンピオンシップシリーズ(19th American League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、翌7日から12日にかけて計5試合が開催された。その結果、ミネソタ・ツインズ(西地区)がデトロイト・タイガース(東地区)を4勝1敗で下し、22年ぶり5回目のリーグ優勝およびワールドシリーズ進出を果たした。
両球団がリーグ優勝決定戦で対戦するのはこれが初めて。この年のレギュラーシーズンでは両球団は12試合対戦し、タイガースが8勝4敗と勝ち越していた[1]。ツインズのレギュラーシーズン勝率.525は、タイガースの.605はおろか、東地区7球団中4位ニューヨーク・ヤンキースの.549をも下回っていた[2]。しかし今シリーズはツインズが制した。レギュラーシーズン勝率が低いほうの球団が制したポストシーズンのシリーズとしては、勝率差80ポイントは当時歴代4位の大きさだった[注 2][3]。また、ツインズの勝率は1973年ナショナルリーグのニューヨーク・メッツ(.509)に次ぎ、リーグ優勝球団のものとしては史上2番目に低い[注 3][2]。シリーズMVPには、第1戦で先制と勝ち越しの2本塁打を放つなど、5試合で打率.300・2本塁打・5打点・OPS.998という成績を残したツインズのゲイリー・ガイエティが選出された。このあとツインズは、ワールドシリーズでもナショナルリーグ王者セントルイス・カージナルスを4勝3敗で下し、63年ぶり2回目の優勝を成し遂げた。
試合結果
1987年のアメリカンリーグ優勝決定戦は10月7日に開幕し、途中に移動日を挟んで6日間で5試合が行われた。日程・結果は以下の通り。
日付 | 試合 | ビジター球団(先攻) | スコア | ホーム球団(後攻) | 開催球場 |
10月07日(水) | 第1戦 | デトロイト・タイガース | 5-8 | ミネソタ・ツインズ | ヒューバート・H・ ハンフリー・メトロドーム | |
10月08日(木) | 第2戦 | デトロイト・タイガース | 3-6 | ミネソタ・ツインズ |
10月09日(金) | | 移動日 | |
10月10日(土) | 第3戦 | ミネソタ・ツインズ | 6-7 | デトロイト・タイガース | タイガー・スタジアム |
10月11日(日) | 第4戦 | ミネソタ・ツインズ | 5-3 | デトロイト・タイガース |
10月12日(月) | 第5戦 | ミネソタ・ツインズ | 9-5 | デトロイト・タイガース |
優勝:ミネソタ・ツインズ(4勝1敗 / 22年ぶり5度目) |
第1戦 10月7日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
ツインズのゲイリー・ガイエティが2回裏と5回裏にそれぞれソロ本塁打を放つ(1分34秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
デトロイト・タイガース | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 | 0 | 5 | 10 | 0 |
ミネソタ・ツインズ | 0 | 1 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 4 | X | 8 | 10 | 0 |
- 勝:ジェフ・リアドン(1勝) 敗:ドイル・アレクサンダー(1敗)
- 本塁打
DET:マイク・ヒース1号ソロ、カーク・ギブソン1号ソロ
MIN:ゲイリー・ガイエティ1号ソロ・2号ソロ - 審判
[球審]ジョー・ブリンクマン
[塁審]一塁: ダーウッド・メリル、二塁: ドリュー・コーブル、三塁: アル・クラーク
[外審]左翼: マイク・ライリー、右翼: ジム・マッキーン - 試合開始時刻: 中部夏時間(UTC-5)午後7時28分 試合時間: 2時間46分 観客: 5万3269人
詳細: Baseball-Reference.com
第2戦 10月8日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
5回裏、ケント・ハーベックのソロ本塁打でツインズが4点差に突き放す(35秒) |
8回表、代打ジョニー・グラブの三塁線へのゴロを三塁手ゲイリー・ガイエティがスライディングキャッチ、送球を一塁手ハーベックが倒れ込みながら捕ってアウトに(1分) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
デトロイト・タイガース | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 3 | 7 | 1 |
ミネソタ・ツインズ | 0 | 3 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | X | 6 | 6 | 0 |
- 勝:バート・ブライレブン(1勝) 敗:ジャック・モリス(1敗) S:フアン・ベレンガー(1S)
- 本塁打
DET:チェット・レモン1号2ラン、ルー・ウィテカー1号ソロ
MIN:ケント・ハーベック1号ソロ - 審判
[球審]ダーウッド・メリル
[塁審]一塁: ドリュー・コーブル、二塁: アル・クラーク、三塁: マイク・ライリー
[外審]左翼: ジム・マッキーン、右翼: ジョー・ブリンクマン - 試合開始時刻: 中部夏時間(UTC-5)午後7時38分 試合時間: 2時間54分 観客: 5万5245人
詳細: Baseball-Reference.com
第3戦 10月10日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
8回裏、パット・シェリダンの2点本塁打でタイガースが逆転(25秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
ミネソタ・ツインズ | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | 2 | 0 | 0 | 6 | 8 | 1 |
デトロイト・タイガース | 0 | 0 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | X | 7 | 7 | 0 |
- 勝:マイク・ヘンネマン(1勝) 敗:ジェフ・リアドン(1勝1敗)
- 本塁打
MIN:グレッグ・ギャグニー1号ソロ、トム・ブラナンスキー1号2ラン
DET:パット・シェリダン1号2ラン - 審判
[球審]ドリュー・コーブル
[塁審]一塁: アル・クラーク、二塁: マイク・ライリー、三塁: ジム・マッキーン
[外審]左翼: ダーウッド・メリル、右翼: ジョー・ブリンクマン - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後1時10分 試合時間: 3時間29分 観客: 4万9730人 気温: 49°F(9.4°C)
詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ ミネソタ・ツインズ | デトロイト・タイガース |
打順 | 守備 | 選手 | 打席 | | 打順 | 守備 | 選手 | 打席 | |
1 | 左 | D・グラッデン | 右 | 1 | 二 | L・ウィテカー | 左 |
2 | 遊 | G・ギャグニー | 右 | 2 | 一 | D・エバンス | 左 |
3 | 中 | K・パケット | 右 | 3 | 左 | K・ギブソン | 左 |
4 | 一 | K・ハーベック | 左 | 4 | 遊 | A・トランメル | 右 |
5 | 三 | G・ガイエティ | 右 | 5 | 捕 | M・ノークス | 左 |
6 | DH | R・ブッシュ | 左 | 6 | 中 | C・レモン | 右 |
7 | 右 | T・ブラナンスキー | 右 | 7 | DH | D・バーグマン | 左 |
8 | 二 | S・ロンバードージー | 右 | 8 | 三 | T・ブルッケンズ | 右 |
9 | 捕 | S・ブテラ | 右 | 9 | 右 | P・シェリダン | 左 |
先発投手 | 投球 | 先発投手 | 投球 |
L・ストレイカー | 右 | W・テレル | 右 |
第4戦 10月11日
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
ミネソタ・ツインズ | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 5 | 7 | 1 |
デトロイト・タイガース | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 | 7 | 3 |
- 勝:フランク・バイオーラ(1勝) 敗:フランク・タナナ(1敗) S:ジェフ・リアドン(1勝1敗1S)
- 本塁打
MIN:カービー・パケット1号ソロ、グレッグ・ギャグニー2号ソロ
- 審判
[球審]アル・クラーク
[塁審]一塁: マイク・ライリー、二塁: ジム・マッキーン、三塁: ドリュー・コーブル
[外審]左翼: ダーウッド・メリル、右翼: ジョー・ブリンクマン - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後8時23分 試合時間: 3時間24分 観客: 5万1939人
詳細: Baseball-Reference.com
第5戦 10月12日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
9回裏、ジェフ・リアドンがマット・ノークスを投ゴロに打ち取り試合終了、ツインズのリーグ優勝が決定(1分45秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
ミネソタ・ツインズ | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 3 | 9 | 15 | 1 |
デトロイト・タイガース | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 5 | 9 | 1 |
- 勝:バート・ブライレブン(2勝) 敗:ドイル・アレクサンダー(2敗) S:ジェフ・リアドン(1勝1敗2S)
- 本塁打
MIN:トム・ブラナンスキー2号ソロ
DET:マット・ノークス1号2ラン、チェット・レモン2号ソロ - 審判
[球審]マイク・ライリー
[塁審]一塁: ジム・マッキーン、二塁: ジョー・ブリンクマン、三塁: ダーウッド・メリル
[外審]左翼: ドリュー・コーブル、右翼: アル・クラーク - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後3時7分 試合時間: 3時間14分 観客: 4万7448人 気温: 51°F(10.6°C)
詳細: Baseball-Reference.com
脚注
注釈
出典
- ^ "1987 Detroit Tigers Schedule," Baseball-Reference.com. 2021年3月18日閲覧。
- ^ a b Peter Gammons, "WHAT A WIN FOR THE TWINS," Sports Illustrated Vault, October 19, 1987. 2021年3月18日閲覧。
- ^ Anthony Castrovince, "Underdogs? Don't tell these playoff teams / A look at the 10 biggest postseason upsets in MLB history," MLB.com, September 24, 2020. 2021年3月18日閲覧。
外部リンク
- Baseball-Reference.com(英語)
- 1987 American League Championship Series - IMDb(英語)
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ミネソタ・ツインズ |
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球団 | |
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歴代本拠地 | |
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文化 | |
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永久欠番 | |
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ツインズ球団殿堂 | |
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ワールドシリーズ優勝(3回) | |
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ワールドシリーズ敗退(3回) | |
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リーグ優勝(6回) | |
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傘下マイナーチーム | |
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デトロイト・タイガース |
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球団 | |
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歴代本拠地 | |
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文化 | |
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永久欠番 | |
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ワールドシリーズ優勝(04回) | |
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ワールドシリーズ敗退(07回) | |
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リーグ優勝(11回) | |
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できごと | |
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傘下マイナーチーム | - トレド・マッドヘンズ(AAA級)
- エリー・シーウルブズ(AA級)
- ウェストミシガン・ホワイトキャップス(High-A級)
- レイクランド・フライングタイガース(Low-A級)
- フロリダ・コンプレックスリーグ・タイガース(Rookie級)
- ドミニカン・サマーリーグ・タイガース(Rookie級)
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